各診療科目・専門外来のご紹介
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診療科の基本方針と特徴
消化器内科では救急・入院・一般外来での診療を行い、消化管・肝胆膵疾患のほぼ全領域を 担当しています。
救急科・放射線科・外科との院内連携により迅速に適切な医療を行える体制を整え、安心・ 安全を基本に新しい知識と技術を取り入れ、エビデンスに基づいたよりよい医療を心がけています 。
診療内容
救急診療では、上下部消化管出血(出血性消化性潰瘍・食道胃静脈瘤破裂・結腸憩室出血等)や急性胆管炎等の緊急内視鏡治療を要する疾患に即座に対応できる体制を整えています。
また、早期消化管癌の診断・内視鏡的切除に力を入れ、胃腫瘍の粘膜下層剥離術(ESD)や食道・大腸腫瘍のESD・ポリペクトミーを行っています。
胆膵疾患では、急性胆管炎や胆道系腫瘍による閉塞性黄疸に対する内視鏡的胆管結石除去術やステント留置術や、放射線科と連携し急性胆嚢炎の経皮的ドレナージや急性膵炎・膵腫瘍の診断・治療を行っています。
また、慢性的な嚥下障害のある患者様には、内視鏡的胃瘻造設術も行っています。
肝疾患では、C型慢性肝炎の経口インターフェロンフリー治療やB型慢性肝炎の核酸アナログ治療も行っています。肝細胞癌には、外科、放射線科と連携し外科的切除や肝動脈化学塞栓術(TACE)、分子標的薬治療を行い、難治性肝性腹水に対する薬物療法に加え腹水濾過濃縮再静注法(CART)を行っています。
内視鏡による早期がんの治療
早期がんに対して行われている新しい内視鏡治療である内視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic submucosal dissection: ESD)を行っております(2007年胃癌、2008年食道癌に保険収載)。
この治療のメリット
【1】開腹手術に比べて入院日数が短期間ですみ、また患者さんへの負担も軽くできます。(術後の消化機能が温存可能)
【2】従来のスネアと呼ばれる金属の輪で病変部を絞扼し、高周波電流を流して切り取る内視鏡的粘膜切除(Endoscopic mucosal resection:EMR)と比較しより大きな病変を切り取ることが可能である。
【3】一括切除することで、病理検査でのより正確な診断にも役立つなどのメリットがあります。 (ただし適応となる条件を満たす症例に限られます。)
当院の症例 例示
1.マーキング:病変の周辺に切り取る範囲の目印をつける | 2.局注:粘膜下層に薬剤を注入して病変を浮かせる |
3.切開:ナイフで病変部の周囲の粘膜を切る | 4.粘膜下層の剥離:専用の器具で病変を少しずつ剥ぎ取る |
5.切除完了:ナイフを使って最後まで剥離する | 6.回収:切り取った病変は病理検査に出すため回収する |
内視鏡による総胆管結石治療
総胆管結石の治療は十二指腸乳頭を介した内視鏡を使用した砕石・採石術が主流となっています。
当院の症例を呈示いたします。
1.十二指腸用の内視鏡を口から挿入し、食道、胃を通して 目的の乳頭まで進め、乳頭を観察します。 | 2.カニューラと呼ばれるチューブ状の機器を通し、造影剤を胆管に 注入して造影します。 |
3.胆管結石を確認後、十二指腸乳頭を専用の電気メスで切開します。 石の大きさによって切開する範囲は異なります。 | 4.結石が小さければ通常バスケットカテーテルで結石を把持して十二指腸内へ引き抜きます。大きな石の場合は機械式砕石バスケットで結石を破砕して細かくした後採石します。 |