各診療科目・専門外来のご紹介
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診療科の基本方針と特徴
当科では肺がんをはじめ、気胸、膿胸、縦隔腫瘍などの呼吸器疾患全般について外科診療を行っています。今や日本では2人に1人ががんにかかり3人に1人ががんで死亡するといわれる時代です。呼吸器外科が治療を行う主な疾患は肺がんでありますが、肺がんは年間新たに約13万人が罹患し約8万人が死亡するというがんの中で最も死亡数が多い病気で、未だ治療が難しいとされています。 がんは早期発見・早期治療が何よりも大切でありますが、肺がんの症状のほとんどは風邪や気管支炎などの一般的な呼吸器の病気にみられる症状と変わりないことが多く、早期の肺がんでは症状が出ないこともあります。また、レントゲン検査でははっきりと映らないものもあり、早期発見されにくいがんのひとつです。実は診断される肺がんのうち手術の対象となるものは約1/3程度です。 近年低線量CTの普及に伴い1㎝未満の小さい肺がんが発見される機会が増えてきました。2020年に日本の研究グループから早期肺がんの治療成績が公表されましたが、2㎝以下のすりガラス型肺がんは手術で小さく切除することで9割以上の方で5年間再発がないという報告でした。治療の難しい肺がんであっても早期であれば手術で負担なく切除することにより、根治を目指すことができ るようになってきました。
診療内容
内視鏡(胸腔鏡)を用いた低侵襲手術を基本に早期がんから進行がんまで、患者様の負担なく社会復帰に貢献できるよう努めています。
①単項式胸腔鏡手術
手術による患者様への侵襲(身体への負担)をさらに軽減するために単孔式胸腔鏡手術を取り入れています。一般的な胸腔鏡手術で は、胸部に3から5か所の穴を開けて、内視鏡で胸の中を体外のモニター画面に映しながら手術を行いますが、単孔式胸腔鏡手術で は、4cm程度の穴ひとつのみで手術を行います。
単孔式手術のメリットとしては、痛みが少なく、手術後の回復が早い点が挙 げられます。デメリットとしては、小さな穴ひとつで手術を行いますので、操作に制限がかかりますが、当科では基本早期がんから進 行がんまで単孔式胸腔鏡手術を行っております。患者様の病状に合わせて適応を広げることができますので、お気軽にお問い合わせください。
②RFIDマーキングシステム導入
早期肺がんに対してスマートフォンやプリペイドカードなどで近距離無線通信の用途で使用されているradiofrequency identification(RFID)技術を応用した超小型電波発信機を病変部に植え込むことで、従来の方法では同定困難であった肺の深部に ある小さな病変に対しても正確な位置同定を行うことができるようになりました。
黄色矢印:マイクロチップ 赤矢印:早期肺癌病変
このRFIDマーキングシステムを 2023年度より導入しております。 当院呼吸器外科は福岡大学呼吸器・乳腺内分泌・小児外科の関連施設であり、患者様の病状に合わせて、積極的に連携をとっております。
佐藤 寿彦先生
安全第一の手術を心がけて日々診療しており、患者様お一人おひとりの病状を十分に把握し、最適と思われる治療方法を行うようにしております 。