検査機器のご紹介
医療関係の皆さまへ
Ingenuity Core(フィリップス) | |
設置 | 2013年10月 |
管球容量 | 30MHU |
回転速度 | 0.42秒/1回転 |
検査機器種 | 64列マルチスライスCT |
CT検査について
CT検査では、X線を人体に回転させながら照射し、透過してきたX線の強弱を検出器で収集して、得られたデータをコンピュータで解析・計算して、さまざまな画像を作成することができます。この検査で体の輪切りの断層写真が得られ、画像処理をすることにより、いろいろな方向からの断層写真や3次元画像を得ることができます。 当院では64列のCTを使用しており 、一度のX線照射で多断面を同時に撮影することが可能なので、息止め時間が非常に短くて済み、小さいお子さんやご年配の方、重症患者さんなどの長い間息止めをすることが困難な方でもきれいな画像を得ることができます。また、被曝量が少ないだけでなく、撮影時間も大幅に短縮され、患者さんの負担が軽減されます。
頭頸部CT(検査時間 5分~20分)
頭部CTでは頭の中の淡い病気の変化を鮮明に写し出すことが可能です(図1)。
脳内の出血(図2)や交通事故等による骨折の状態を素早く、簡単に、かつ詳細に調べることが可能です。
専用のワークステーションを用いることで、撮影した画像を立体的に観察することが可能です(図3)。
造影剤を使用することで頭頚部の中の血管の状態を調べることができ、立体画像を作成することにより脳動脈瘤などの診断を容易に行えます(図4)。
また造影剤を右肘静脈より急速に注入し定位置(基底核, 側脳室体部レベル) でダイナミック撮像を行うことにより脳Perfusion CT が可能であり、簡便かつ迅速に脳循環の虚血状態や環流異常を早期に検出し、治療に引き継いでいくことができます(図5)。
胸部CT(検査時間 約5分~20分)
胸部CTでは5~10秒程の息止めをしっかりと行うことで肺の状態を細かく調べることが可能です。
肺に含まれる気管、血管、そして空気を最もきれいに観察できる検査です(図6)。
1回の撮影であらゆる角度から観察可能な画像を得ることができ、より細かい画像を作成することでさまざまな角度から観察することが可能です(図7)。
造影剤を使うことで血管の状態や病気の性質を診断できます(図8)。
心臓CT(検査時間 約20分~30分)
心臓CT検査とは、X線を使って心臓の撮影をして立体画像を作り、心臓の血管の形状を見る検査です。
カテーテル検査と違い、入院や長時間の安静の必要もなく、10秒程度の造影剤の注入と息止めで撮影可能ですので、検査を受ける方の負担を一気に減らすことができます。撮影後、コンピュータを使って心臓の血管の立体像を作成して心臓に栄養を送っている冠動脈という細い血管をはっきり写します(図9)。
また、カテーテル検査に近い画像を作成することができ(図10)、それぞれの血管において360度回転表示したり断面像を得ることによって動脈硬化や心筋梗塞といった恐い病気を早期に発見することができます(図11、12)。
腹部CT(検査時間 約5分~20分)
腹部CTは、肝臓や胆嚢、膵臓など内視鏡で観察できない腹部臓器の病変を診断する際に有効です。
検査方法には、単純CT撮影と造影剤を使う造影CT撮影があり、後者ではより明らかに判定できます。
肝臓がん、胆道がん、膵臓がんなどの腹部臓器原発の悪性腫瘍がないかどうか、もしあった場合それがどの程度進展しているか、腹部リンパ節に転移していないかなどが分かります(図13)。
また、何らかの原因により急性の腹痛が生じた際にも、その原因となる消化管穿孔、イレウス、胆石、胆嚢炎、膵炎、尿路結石、解離性大動脈瘤、膿瘍などが見られないかを診断する際にも用いられます(図14)。
図15は肝臓から出る消化液「胆汁」の流れる管(胆管)を撮影したものです。胆嚢や胆管に石がないかどうか、変に太いところや細いところがないか、一目瞭然となります。
また手術時等にこのCTで得られた画像は大きな手助けとなります(図15)。
脊椎CT(検査時間 約5分~10分)
脊椎CT検査は、後縦靭帯の石灰化や骨変形による脊髄の圧迫を見るのに大変適しています。
椎体の骨折や椎体あるいは脊髄腫瘍の診断にも役立ちます。また、脊髄腔造影(ミエログラフィ)後のCT撮影は、脊柱管内の病態を詳しく把握することができます。骨折や靭帯の石灰化や骨変形などを分かりやすくするために、立体的な画像やいろいろな方向からの画像も作っています (図16,17,18) 。また脊椎術後の評価にも大変貢献しています。
四肢CT(検査時間 約5分~20分)
四肢CT検査では、股関節、膝関節、手足などの撮影を行います。
一般撮影検査では得られない立体画像が得られるため、手術計画や交通外傷などの診断に有効な検査です(図19)。また造影剤を使って血管の3D画像を得ることができ、必要に応じて動脈(CTA)と静脈(CTV)を検査します(図20)。主に間歇性跛行や下肢の痺れ、浮腫、下肢痛などの症状がみられる患者さんに対して行います。
動脈の病変として動脈瘤・閉塞性動脈硬化症(ASO)・石灰化・腫瘍などがあり、静脈の病変として静脈瘤・深部静脈血栓などがあります。四肢血管の狭窄や閉塞の診断をすることができます。
CTガイド下生検(検査時間 約60分)
CTガイド下生検とは、実際にCTの画像をリアルタイムで見ながらCT装置で身体の断面像を見ながら病変部に生検針を刺して組織を採取する検査です。リアルタイムでCT画像を表示させるのでより安全に短時間で検査が行えます。
採取した組織を病理、細菌検査などに提出し、治療方針の決定に役立てます。原則として肺では、気管支鏡で見えにくい病変や、気管支鏡でうまく組織が採取できなかった場合に行います。
対象部位は肺をはじめ、縦隔、腹・骨盤領域、骨領域において、CTを用いた生検が行われることがあります(図21)。
また、同様にCTガイド下で挿入した細い管を利用して、腹部や骨盤内に溜まった膿や液体を体外に排出すること(ドレナージといいます)も行われています。
協力とお願い
CT検査は、X線を使って検査を行いますので、撮影部位にある金属類など、事前に取り除いていただき、
検査着に着替えていただきます。また、検査前に食事の制限や薬の服用など、ご協力いただくことがあります。
▼撮影部位に金属がある場合、服を着替えてもらったり、差し歯やアクセサリー類を外してもらう場合があります。
これは、診断によりよい画像を撮影するためです。そのため、貴金属類をなるべくつけないで、ご来院ください。
・貴金属(ネックレス、ピアス等)
・メガネ、入れ歯
・金属の入った下着(ブラジャー等)
・ズボンのベルト、ファスナー
・カイロ、エレキバン、湿布
検査前に上記の物がないかチェックさせて頂きます。
その際に上記の物は取り外していただくか、脱いでいただくことになりますが、検査着を用意していますのでご安心ください 検査当日は、脱着しやすい服装でお越しください。
▼上腹部の検査は、絶食で検査することがあります。
【ペースメーカを装着されている患者様へ】
ペースメーカもしくはICD(埋め込み型除細動器)の本体にX線が連続的に照射されると、本体の作動に影響を及ぼすことがあります。ペースメーカもしくはICDを装着されている患者様は、検査前にその旨をスタッフに申し出てください。また、検査を受ける際は、ペースメーカ手帳を持参するようお願いします。
【被曝について】
CT検査では、人体にX線を照射するため、放射線被曝は避けられません。ですが、一度の検査で人体に影響を及ぼすほどの被曝はありませんので、安心して検査を受けられてください。また、妊娠中または妊娠の可能性がある方は、その旨をスタッフに申し出てください。