福岡青洲会病院からのお知らせ

2020年9月30日 新型コロナウィルス感染症について
新型コロナウィルス感染症についてのご報告〜全病院機能再開にあたって〜

 この度の福岡青洲会病院における新型コロナウイルス感染症のクラスター発生に伴い、患者様・ご家族様はじめ地域の皆様、ならびに医療機関・介護施設など関係者の方々には、多大なご心配ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。通常の診療体制再開にあたりご挨拶させていただきます。
 2020年7月中旬以降、福岡県内でも新型コロナウイルス感染症の第2波が膨らみ、8月5日には福岡コロナ警報が発動されました。同じ頃、当院においても新型コロナウイルスとの厳しい闘いが始まりました。
 入院患者様および職員にコロナ陽性者が多数確認され、最終的に患者様 41名、職員32名の陽性者を認め、 70名以上の大きな院内クラスターを発生させてしまいました。職員につきましては殆どが軽症または無症状であり、入院を必要としていませんでしたが、入院患者様につきましては院内でゾーニングをして設定した感染症専用病棟で管理致しました。多くの患者様は軽快されて退院あるいは一般病棟に復帰となり、9月14日には感染症専用病棟での管理を要する患者様はゼロとなりましたが、経過中に重症化されて人工呼吸器管理となった方や、感染症指定病院へ転院された方、お亡くなりになった方もおられました。多くの患者様と職員を、新型コロナウイルス感染症から守ることが出来なかったことは、院長として痛恨の極みであり、お亡くなりになられた患者様には心よりご冥福をお祈り致します。
 当院は救急医療を積極的に推進し地域貢献することで社会医療法人の認定を受けておりますが、今回の院内クラスター発生に伴い、救急患者様や紹介患者様の受け入れや新規入院の休止など、診療体制を1か月以上制限しなくてはなりませんでした。救急医療に限らず、地域医療の維持に大きな支障となりましたことを深くお詫び申し上げます。
 当院では、今回の院内クラスター発生を受けて、これまで行ってきた感染対策を改めて見直し、安心してご利用いただけるよう、職員の感染対策研修の実施、検査体制の拡充、病床運用の見直しなど、様々な取り組みを実施致しました。現在、職員は感染対策に対する高い意識をもって日常業務に就いておりますが、今後は新型コロナウイルスに加えインフルエンザの流行にも備える必要があり、今回の苦い経験を無駄にすることなく感染対策を徹底し、地域の皆様の信頼を回復すべく努力してまいります。
 院内クラスター対応のため、職員一丸となって取り組んだ1か月余りでありましたが、この間に多くの方々より温かい励ましのお言葉やお心遣いを頂き、使命感を胸に最前線で診療にあたってくれた職員達の大きな支えとなりました。お陰様で通常の診療体制となり、院内の落ち着きを取り戻すことができました。改めて深く感謝申し上げます。福岡青洲会病院は平成5年の開設以来、青洲会の理念である「一視同仁・親切丁寧」 をモットーとして、安心安全で良質な医療と介護の提供を通して地域に貢献し、地域の方々とともに健康と福祉の増進に努めることを、一貫して目指してまいりました。私達青洲会職員一同は、院内クラスター発生を経験した今、この思いを改めて深く心に刻み、一段と質の高い医療と介護を地域の皆様に提供できるよう精進してまいります。今後ともどうぞ宜しく御願い申し上げます。

 ※今後の当院の感染対策について以下のPDFをご参照ください。
https://f.seisyukai.jp/wp-content/uploads/2020/09/感染対策-1.pdf

2020年9月30日

福岡青洲会病院
 院長    髙山 昌紀